「リレー小説」一番手行きます。

「リレー小説」
　
「さくら」あなたはこの言葉を聞いて，何を連想するだろうか。２月の終わり頃から見計らったように咲き誇り，学生たちの卒業を祝うかのように美しく散っていくアレだろか。客を呼び込むために店側が仕込む，偽の客のことだろうか。それとも私と同じだろうか。私にとって，これは最悪の名前だ。少なからずいるであろう同志には申し訳ないが，私にとってこれは忌むべきもの以外の何物でもないのだ。私にとって「さくら」は親の残した最後の嫌がらせとしての“名前”だ。
　私は３月のある日，暖かい日差しに照らされ，母との初対面を迎えた。散りゆく桜がその対面を美しく彩って，なんともフォトジェニックなシーンであった。偶然か必然か，風に運ばれた花びらが私の小さな手の上に着地し，なんとも可愛らしい笑顔を見せたことから，「さくら」と名付けられた。
　なんて恋愛小説の冒頭にでもなりそうな由来ならばここまで忌むことはない。

私はこの名前に呪われている。

「リレー小説」
テーマ：ホラー
キーワード：「さくら」「ジム」「チャーハン」「コーヒー」
書く順序：シンペー→アユム→シンジ

ルール：テーマに沿って三人でリレー形式で小説を書いていく。字数は一人４００字。キーワードを必ず一つ以上使い，三人で全て使い切ること。前の人が使ったワードを使用しても良いが，それはキーワード使用のカウントはされず，カウントはあくまで新たなキーワードの使用にて行う。

今回しようキーワード「さくら」　担当：シンペー