三賢者の賢者生活

YouTubeで活動している三賢者の日常を綴るブログです。

「リレー小説(純愛)」一番手

「リレー小説(純愛)」
一番手:シンジ

 僕がいなくても世界は周る。人一人の存在なんてちっぽけなものだと思っていた。
 あれは梅雨の時期だったか。傘をわざと置いてきた、雨に濡れる僕を心配してほしくて。そんなスブ濡れの僕に声が届いた。
「濡れたいんだね。私と同じ…」
 彼女はそう言って、僕にそっと手を差し伸べる。手は冷えていても暖かさを感じた。彼女の透き通った目には赤面の僕が映る。こんな顔をしていたんだ。僕は初めて人前での自分の姿を目にした。一呼吸を置いて彼女は僕に囁いた。いつもと同じ帰り道…時計の秒針が動き出す。
 初めてのデートは夏祭りだった。たこ焼きを片手に輪投げをしたね。初めて楽しさを感じた。この日々が永遠に続けばいいのに。しかし、時計の秒針はもう鳴らない。
 僕は高校3年生になった。形だけの高校生だ。今日も毛布に包まる。
 午後5時過ぎ…家のチャイムが鳴る。センセイが来た。学校へ来るように説得しにきたのだろう。無駄なことだ。僕の心は壊れている。



「リレー小説」
テーマ:純愛
キーワード:「たこ焼き」「ラジオ」「輪投げ」「センセイ」「風邪」
書く順序: シンジ→アユム→シンペー

ルール:テーマに沿って3人がリレー形式で小説を書いていく.字数は1人400字.キーワードを必ず1つ以上使い,3人で全て使い切ること.前の人が使ったワードを使用しても良いが,それはキーワード使用のカウントはされず,カウントはあくまで新たなキーワードの使用にて行う.

今回の使用キーワード:「たこ焼き」「輪投げ」「センセイ」 担当:シンジ